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出会い系サイトのトラブルと被害
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元運営者B氏の激白

B氏の告白はA子のそれよりもあらゆる意味で衝撃的だ。彼はこのサイトを見て情報を寄せてくれたわけだが、その行為は彼にとってなんのメリットも無い。「元」ということで気まぐれに教えてくれたのだと私は解釈しているが、あるいは「おれも昔はずいぶんと悪いことをやったもんだぜ」的に誰かに話したかっただけなのかもしれない。いずれにせよ赤裸々に告白してくれたB氏に感謝する。

B氏はフリーのウェブデザイナーである。企業のウェブサイトなどを制作するのを本業としている。そんなB氏が出会い系サイトを始めたのは平成10年頃だった。当時は出会い系サイトで起きた事件がテレビのニュースになることもなく、出会い系サイトという言葉自体も一般にはまだ馴染み薄かった。その頃はメルトモ募集掲示板などと呼ばれていたものだ。そんな時代にB氏が出会い系サイトを始めたきっかけは些細なことだった。彼はこれからのウェブ制作にはプログラムの知識が不可欠と思い、CGIやSQLの勉強を始める。その過程でサンプルとして作成したのが出会い系サイトのシステムだった。最初はただの掲示板でもちろん無料、やがて個人のプロフィール機能が付き、メールボックスシステムに発展し、最終的には立派な出会い系サイトができあがり、お小遣い程度の広告収入も得るようになっていた。そして平成13年頃、ポイント制を導入し、有料化に踏み切る。

当初はさっぱり儲からなかったという。男性はお試し入会の無料ポイントを使うだけで、まるで購入してくれない。それもそのはず。出会い系サイトなど本来はメールを送ってナンボだ。数撃ちゃ当たるの法則でたくさんメールを出し、そのうち何通か返事が来るといった具合。お試しポイントだけで女性から返事をもらうのは難しいのだ。そこでB氏は他の出会い系サイトを研究し、ひとつのコツを得る。――それがサクラだった。B氏はさっそくシステムを改造し、サクラ機能を付加した。お試し会員だけをピックアップする検索機能、そしてサクラとの会話を一覧表示できるログ機能、さらには会話の定型文送信機能など。B氏はこの機能を用いてお試し入会の男性に思わせぶりなメールを送り始める。

これが大当たりだった。男性は次々に返事を寄越す。それに対してまた返信する。そうこうするうちにお試しポイントは無くなる。さらに追い打ちをかけるように思わせぶりなメールを送ると・・・。男性会員達は面白いようにポイントを買ってくれたという。この時点で月の売上約約100万円。管理作業やサクラ行為など、すべてはB氏ひとりでやっていたが、さほどの労力ではなかったそうだ。

B氏はさらに拡大戦略をとり、売上の中から30万円ほどを広告費に充てる。クリック保証型の広告を出稿したのだ。これがまたまた大当たりし、会員は一気に2倍、3倍、4倍へと膨らんでいった。しかし会員数が増えるに比例し、管理はともかくサクラ行為がたいへんになってきた。そこでB氏はさらにシステムを改造し、複数人がサクラをできるようする。そしてネットで知り合った女性や男性に、アルバイトでサクラをやらせたのだ。彼等への人件費がかかるものの、会員数が増え続けているので売上も増大していったという。最終的に月の売上は500万円を超え、人件費や広告費を差し引いてもB氏の手元には300万円余りが残る計算だった。

そんなB氏が出会い系サイトを閉鎖したのはある事件が理由だ。サイトを流行の写メ対応にバージョンアップさせ、トップページにも女の子の写真を並べ大々的にアピールした。これも大当たりし男性会員はさらに増え続けたのだが、問題はその写真の出所だった。B氏は写メ画像を業者から買っていた。スパムメールで画像を売り込んできたその業者の素性は一切知れない。しかし画像の入ったCD-ROMが郵便で届き、その中身を見ると、B氏はその出所にまで気が回らなくなっていた。それほどまでに“使える画像”がたくさん収められていた。これでさらに会員が増え、売上も拡大する。もうそのことしか頭になかったのだという。

それが落とし穴だった。ある日B氏の元に一通のメールが届く。それはB氏のサイトに掲載されている画像、及びサイト内でサクラが使用している画像が、他の出会い系サイトからの無断使用であるという警告メールだった。ヤバイと思った時には既に遅く、怖い人たちに追い込みをかけられた。詳しくは話してくれなかったが、かなり恐ろしい目に遭ったようで、結局それが元でサイトを閉鎖した。それでもB氏の手元にはかなりの現金が残っているはずである。これを羨ましいと思うかどうは意見の分かれるところだが・・・。


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